コボルドの家畜騎士 レビュー ストーリー感想

本当にマニア向けの作品だった
女英雄「ファティマ」に憧れ、いつしかその憧れの存在すら
越えるほどの騎士に成長した、女主人公「セルマ・クィン」。
大陸最強と謳われ、鬼人と呼ばれた女騎士「セルマ」は、
しかし、コボルドによる数の暴力と策によって無惨にも
囚えられた、という感じのストーリー。
助けは来ず、最初は気を吐き、強い心を持っていた彼女が
やがて堕落し、性◯奴隷となり、地獄のような快楽と苦悶を
味わい続けるというのが、本作の展開である。

さて、本作は前述の通り、非常にマニアでニッチな部分を
とことん掘り下げている作品である。殆どのエロ同人作品、
特に戦闘要素のある女騎士モノ、退魔師モノなどでは、
女性主人公が何者かと戦う
↓
敗れる
↓
敗れた後にエロストーリーが展開される
↓
各作品によって展開が分岐する
(女性主人公があっさり立ち上がって勝利。
快楽によって苦悶するも、最後は勝利。
性的な意味で屈辱を味わい、後遺症として苦悶しながらも戦う
敗北して性的な苦悶による屈辱の日々を送るが、奮起して脱出
などなど )
ということになるパターンが多い。
「女性主人公がエロい目にあい、そのまま性的に苦しめられ、
しかも一切の救済がない」というパターンは、いわゆる
「バッドエンド」とされることが多く、そこまで綿密に
描写されないことも多いのである。
が、本作はそんな「オーソドックスな作品なら軽く
触れられる程度で終わるバッドエンドをとことん掘り下げて
それだけで一作の作品に作り上げてしまった」という作品である。

そんなわけで、本作はかなりマニア向けな作品である。
「でもどうせこの女性助かるんでしょ?」とか
「なんだかんだ平和的に終わるんでしょ」とか
「実は完堕ちみたいなエロで救済取るパターンでしょ」とか
そんな救済措置は一切用意されていないのだ。
とにかく女性主人公は最後までバッキバキに心を
折られていくし、しかも「途中で心が壊れました」なんて
生易しい温情も一切ない。最後まで正気である。
それでいて、女性主人公が消耗していく様は描写されている。
イチャラブ、ハーレム、恋愛といったジャンルの対局の位置に
存在しているのが本作である。ひたすらレイ◯プ、性的拷◯問、
性奴◯隷生活という、これでもかと女性キャラクターを
痛めつけることに特化したゲームであるかもしれない。

前置きが長くなってしまったが、本作のゲームシステムを
記述したい。本作は簡単に説明するなら
「女性主人公セルマの性奴◯隷生活を延々楽しむゲーム」
である。その基軸になっているのは3つの年代である。
年代は「若輩時代」「大人時代」「中年時代」の3つであり、
最初は若輩時代からスタートして、条件が整うと次の
年代にスキップできるようになっている。
中年時代でエンディング条件を迎えるとエンディングとなる。
しかし、本作ではエンディングを迎えた後もプレイ可能で、
その場合は若輩時代、大人時代、中年時代と好きに
行ったり来たりのスキップができるようになっている。
ちなみに、年代はおおよそ10代、20代、30代くらいを
目安にしていると思われる。なので女性主人公が
熟女オバサンになることはないようである。
(どれくらいから熟女オバサンに定義するかにもよるが)

また、本作はRPGツクールMVを使って作られているが、
本作には戦闘要素やレベルアップ要素は一切なく、
ノベルゲーに近いゲームシステムとなっている。そのため
作品説明でも「ADV」であると述べられている。
とはいえ、RPG特有のステータス画面は健在であり、
これにより、女性主人公「セルマ」がいかに堕落し、
快楽漬けの日々を送っているかが可視化されている。
終盤の「中年時代」では一般人より能力が低くなり、
初期の頃の凄く強いステータスからは考えられないほど
弱体化しているのである。

年代によって変貌するのは何も女主人公だけではない。
サブキャラの1人が幼◯児退行じみた状態になっていたり
心身を病んでいるのかモブキャラクターの変遷も激しく
入れ替わるなど、世界観構築の支えとなっている。
これは敵であるコボルド側も同じで、初期の若輩時代では
大陸最強の女騎士と言われた女主人公をどことなく
恐れている描写があるものの、終盤の中年時代では
もはや完全な雌奴◯隷としか見ていないなど、女主人公に
対する目線も激変する。
これらの描写の裏には、敵の寿命の短さや、メンバー
入れ替わりによる、「イメージ認識の齟齬」が背景にあると
されており、簡単に言えば「あまりに長く性奴◯隷生活を
続けたから、かつての強さを知る存在が消えた」ということらしい

そんなわけで、女主人公含む、数多の女性達は、
この汚らしい施設で心身を苦しめられ、
性的暴行を受けながら日々暮らしていく。
施設には汚臭がし、Gが大量に這い回っているなど、
そういった描写すらかなりの拘りが見て取れる
(Gを潰すと効果音まで鳴るという筋金入り)
やがて、1人また1人といなくなり、しかしまたここに
入ってくる女性も増え、誰も助からないまま終焉を迎える。
そんな言いようのない無様さと、もどかしさが本作にはある。

エロシーンは全部で49個。サブキャラにも存在する。
ただし、若輩時代、大人時代、中年時代で分かれているため
各時代ごとのエロシーンは15個前後である。
もちろん全てイベントエロであるが、汎用エロであったり、
特定のコボルドに話しかけてのイベントエロであったり、
特定の条件のみ発動するエロシーンであったりと
多種多様に発生条件がある。
プレイ時間は、プレイヤー次第だが最短2時間以内でも
可能らしい。しかし、ここに制約が1つある。

それは、本作のイベント取得条件や、攻略条件が
イマイチわかりづらい点である。謎解きゲーのような
側面も持っているためになかなか難しい。
一応ヒントらしきものはあるが、クリアと全回収は
なかなかの骨である。管理人は結局既クリアの身内から
セーブデータを分けて貰った。実際、クリア済なら
好きな年代に行き来できるので、楽しみやすさはある。
女主人公「セルマ」に感情移入したいプレイヤーは
正攻法で進めてもいいと思う。管理人はヘタレ早漏なので
端的に言えば日和ってしまったのである。

そして、元も子もない話ではあるが、やはり本作はニッチだと
いう印象を受ける。性的開発、乳首ピアス、黒乳首、
異種◯姦に妊娠出産とマニア向け要素が多い。
特に普段ソフトなゲームで慣れているプレイヤーは
ハードな本作はもしかするとキツく感じるかもしれない。
性癖とどれだけマッチしているかが鍵であるという印象。
エロシーンも、その展開もマニア要素が強いという
印象なので、逆に言えばハマる人はとことんハマりそう。
特に女性主人公が年齢的にも成長していく、というのは
他作品ではあまり聞いたことがなく、肉体もちゃんと
筋肉質から雌◯奴隷のようなムチムチに変遷していく
という、とにかく凄い拘りっぷりである。

全体としては、とにかく異色づくしの作品という印象。
ひたすら女主人公含む女性達が性的に痛めつけられるだけ
という徹底ぶりは、管理人として他作品にあまり記憶がない。
何一つ救済の措置もなく、ひたすら性奴◯隷の道を歩まされる
女主人公、管理人として性癖のミスマッチはあったものの、
作品の徹底した世界観の構築や、丁寧な描写は
かなり満足できるものであったと思う。
以下、URL画像で最後の展開のネタバレ。
どうしても結末だけ知りたい、振り返りたい人用に。
https://blog-imgs-101.fc2.com/r/1/8/r18youdesu/koboruto11.png
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